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DOS/Vの死亡宣告
 
Amazon.co.jp アソシエイト <IT革命評論>
1995/07/27      uncle-joe.net Project

 みなさん、こんにちは!!

 今回は「DOS/V機は今年の終わりに死亡宣告される!」という話をしましょう。この知る人ぞ知る、知らない人は全く寝耳に水の事態を理解するためのキー・ワードを以下に3つ列記しました。


    (1)DOS/Vはソフトである。

    (2)メーカー(製造会社)からアセンブラー(組立会社)へ。

    (3)動作保証。


(1)DOS/Vはソフトである
 DOS/Vとは日本IBMが1990年末、対PC98用に発売したAT互換機向けのOSなのです。英語仕様のAT互換機に日本語表示を追加して国内販売をしたのでした。
 このソフト(OS)の画期的だったのは、AT互換機を英語圏の世界から中国語、アラビヤ語、その他の言語にDOS添付の文字フォントを入れ換えるだけで通用するように変えてしまった事だったのです。ハードの変更は全く行わず、ソフトの入れ換えだけで、あらゆる言語に対応出来るようにしたのです。

 この為にAT互換機は世界的な共通商品になってしまいました。


(2)メーカー(製造会社)からアセンブラー(組立会社)へ
 AT互換機のハードの仕様は厳密に決められています。しかも公開されている為にあらゆる部品メーカーがビジネス・チャンスを求めてこのパソコン市場に雪崩込んできました。ハードディクス・メーカー、BIOSメーカー、ボード・メーカー、ソフトハウス・・・。
 そしてあの米国のパソコン戦争が始まったのです。IBM、コンパック、デル、等々が安値競争を繰り広げていったのです。しかもDOS/Vの登場によって市場は米国外に飛び火し、日本にもAT互換機の安値競争が上陸したのでした。
 現在、富士通がDOS/V市場に参入してある程度の成功を収めているのは、世界市場から豊富な低価格の部品を購入出来るからです。富士通は謂わば、メーカー(製造会社)としての自負を捨てて、アセンブラー(組立会社)に徹しているからこそ今の成功を維持しているのです。
 このことは当初ハードの仕様を公開した米国IBM、ソフトの仕様を公開した日本IBMも同じです。

 その後の技術革新による仕様変化は市場に依って決定され、今や天下のIBMすら一アセンブラー(組立会社)に過ぎず、AT互換機の仕様を独断で変更する事は出来なくなっているのです。


(3)動作保証
 現在のDOS/V機はあらゆるメーカーの部品の寄せ集めです。日本IBM、富士通などの「大メーカー」は部品を組み立て、「DOS/VというOSが動きますよ」という動作保証を与えてAT互換機を発売するのです。
 マイクロソフト社も「日本IBMの開発したDOS/V」互換の『MS−DOS/V』を発売して市場に参入したのでした。あのマイクロソフト社も当初、DOS/V互換ですよという動作保証を与えてこの市場に参加したのです。

 そして最終的にDOS/V仕様が世界商品になると、マイクロソフト社は「MS-DOS Ver.6」から独自の方向を探り始めました。DOS/V仕様に捕らわれないとの明確な思想が表明され、今年の末には新しいOS「Windows95 」が出現します。
 これには今までのDOSが必要ありません。あるのはDOS窓というエミュレーターだけです。市場はこの新しいOSに反応し、早くもリリース前にも係わらず「Windows95 」動作保証のAT互換機が販売されています。
 市場が「IBM PC-D0S/V規格」をとるのか「Windows95」をとるのか、それとも両方の規格を取り入れるのか(非現実的です)、未だ不明確ではありますが、AT互換機におけるマイクロソフト社の「Windows」の市場占有率から言って、『MS-DOS』の放棄はDOS/Vそのものの死亡宣告に等しいものと言わざるを得ません。


 なお、これは余談ですが、将来「DOS/V」は死ぬにしても、「AT互換機」の言い換えとしてこの名称は残るでしょう。謂わば諸葛孔明の五丈原の死の如きしぶとさを保つと思われます。
 以上。

             平成7年7月27日(木) Uncle Joe

<更新履歴>
【1995/07/27脱稿】社内報向けに記述。
【2002/01/16登録】uncle-joe.netホームページに転載。
 






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表題 Joeおじさんのパソコン探険記
  1.マイクロソフトのWindows戦略
  2.DOS/Vの死亡宣告
  3.マイクロソフトがマイクロソフトになった日
  4.ネットワーク・コンピュータの夢
  5.インターネット用語集
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