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マイクロソフトマイクロソフトになった日
 
Amazon.co.jp アソシエイト <IT革命評論>
1995/09/25      uncle-joe.net Project

 みなさん、こんにちは!!

 今回は今や「マイクロソフト」である「マイクロソフト」 が「マイクロソフト」になった日を書いてみましょう。

 JOEおじさん、先月末は2週間の内に本番が3箇所も続き、大童の状態でした。最初はFMR、次はカシオR1、最後はFMV。特に最後のFMVは納品時にシャープのPOSレジのフロッピーが読み込めずに、結局1カ月延ばしてもらう事にして、パソコンを持ち帰ってしまったのでした。シャープの担当者には、互換があると聞いたのにと噛みついてしまった事などがあり、情報の齟齬を整理して事態を飲み込むまで2・3日かかってしまいました。客先のシャープのPOSレジは8インチのIBMフォーマットと、3.5インチのCP/Mフォーマットの2種類のFPDを作成するのです。3.5インチもIBMフォーマットだという情報だったのですが違っていました。

 CP/M(Control Program for Microcomputer) は、1970年代後半8ビット・コンピューター で殆ど寡占状態のDOSシステムでした。開発したのは(今はノベルに買収された)デジタル・リサーチ社で、「マイクロソフト」 は自社開発のFORTRANやCOBOLをCP/M向けに開発していたのです。とはいえ、当時の「マイクロソフト」 の収益の大部分はDisk BASIC言語から上がっていました。  西和彦はNEC等にDisk BASICを売り込み、その功績で「マイクロソフト」 の重役になっていた時期です。

 CP/Mの上にFORTRAN やCOBOL は乗りますが、Disk BASICの上には乗りません。より汎用性のあるオペレーテング・システムが市場を独占してゆくのは当然の事で、CP/Mがパソコンの世界で標準となる運命になりかかっていました。

 そこに「3人の勘違い男」が現れ「マイクロソフト」 が「
マイクロソフト」になってしまったのです。

 一人目の勘違い男はIBMです。時はインテルの8ビット・コンピューターから16ビット・コンピューターへの立ち上げ時、(パソコンの)ホビー市場からビジネス市場への転換期に、IBMがパソコンの世界に殴り込みをかける事になりました。
 IBMの担当者は「マイクロソフト」 に電話をかけて至急商談を行いたいと約束をとりつけ、飛行機で飛んでくるなり、「CP/Mを買いたい」と切り出したのです。ビル・ゲイツは担当者の勘違いを訂正し、デジタル・リサーチ社を紹介してあげたのでした。

 二人目の勘違い男は、デジタル・リサーチ社の社長で、焦っているIBM担当者を尻目に、一週間のカリブ・クルーズ旅行から帰ったら再交渉しましょうと仕事を放り投げて遊びに行ってしまったのです。
 IBMは「マイクロソフト」 にOSの開発を要求しました。「マイクロソフト」 社内では未経験のOS開発に危うさを感じて尻り込みする重役陣の中で、西和彦のみが冒険を主張して皆を説得し結局これをやる事に決定したのです。一から開発するには時間も、ノウハウもない「マイクロソフト」 は友人のツテで開発途上の8086向けSCP−DOSを買い取り、IBMパソコン向けにコンバージョンしたのです。

 三人目の勘違い男はこのSCP社(シアトル・コンピューター・プロダクツ)で、「マイクロソフト」 に安くDOSを買い叩かれ、しかも顧客の名も明かされずにコンバージョン作業に付き合わされたのです。
 当初は良き商談という事で喜んでいた模様です。

 1981年にIBMは同社の最初のパソコンを発表し、ここに「マイクロソフト」 が「
マイクロソフト」になった記念すべき年になったのです。

 なおCP/Mのデジタル・リサーチ社は、後年16ビット・CPU 向けにCP/M-86を開発しましたが、キャッチアップ が遅れた為に市場の一部を占めただけで終わってしまいました。
 恐らくシャープのPOSレジはこのCP/M-86マシンではないかと思われます。

             平成7年9月25日(月) Uncle Joe

<更新履歴>
【1995/09/25脱稿】社内報向けに記述。
【2002/01/16登録】uncle-joe.netホームページに転載。
 






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表題 Joeおじさんのパソコン探険記
  1.マイクロソフトのWindows戦略
  2.DOS/Vの死亡宣告
  3.マイクロソフトがマイクロソフトになった日
  4.ネットワーク・コンピュータの夢
  5.インターネット用語集
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