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AI研究が求める飛躍的アイデア
 
Amazon.co.jp アソシエイト 渕一博氏の訃報に接して
2006/08/21      uncle-joe.net Project

 大きな夢を見ました。
 それは、エンジニアなら誰でも見たい夢でした。
 そんな夢から覚めたとして、夢を見たことを誰が後悔するだろうか?

 渕一博さんが8月17日に亡くなられました。
 渕さんは、第五世代コンピュータ開発を主導された方でした。
 第五世代コンピュータとは、当初の資金集めのプロパガンダでは「人工知能の実現」を目標に掲げていた、当時は壮大な国家計画でした。
 1980年代当時、一介のエンジニアだった私にも、「人工知能!」という言葉は魅力的で、この国家プロジェクトには大きな期待を抱いていたものでした。

 それが莫大な資金を得て、いざ、プロジェクトが始まるぞ!となった時に、報道は急にトーンダウンし始めて、「並列推論マシン」の開発プロジェクトに化けた時には、唖然としました。
 10年後に目標を達成して開発は終了したわけですが、私の耳にも、完了セレモニーの報道は全く届きませんでした(報道はあったと思います・・)。
 いつ終わったの?成果物はなに?と、後年調べたことがありましたが、あまりの矮小さに愕然とした覚えがあります。
(今考えても、例えば「地球シミュレータ」新しいウィンドウで開くに寄与したか?とか、 「ディープブルーvs.カスパロフ」 新しいウィンドウで開くの戦いに割り込めたか?と問われれば、笑い飛ばすしかない。)

 Wikipediaの「第五世代コンピュータ」新しいウィンドウで開くの項に William Zachman 氏の言葉が載っています。
「AI型の応用の進展を阻んでいるのは、十分な知性を持った AI ソフトウェアが存在しないからであって、強力な推論マシンがないからではない。」

 同様の言葉をダートマス大学のJohn McCarthy氏も、語っています。
 McCarthy氏は、1956年「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉を初めて創り、広めた人です。

CNET Japan 「人工知能の第一人者J・マッカーシー氏に聞く--AI研究、半世紀の歴史を振り返る」新しいウィンドウで開く記事でこう語っています。
「50年前、ハードウェアの処理能力が貧弱過ぎたことは事実ですが、30年前には、ハードウェアの処理能力が研究の障害になることはなくなっていました。」

 人工知能を実現するに当たって、とりあえず今、ハードウェアの障害はない。
 障害は根本的なシステム作りにあり、「アイデアが不足していて人間の知能に到達するレベルには至っていません」と、McCarthy氏は言います。
 何か、基本的なアイデアが抜けている。だから人工知能は完成しないんだ、とMcCarthy氏は語っているのです。


 渕さんの御冥福をお祈りします。
 渕さんは、われわれに大きな夢を見させてくれました。

<更新履歴>
【2006/08/20初稿】uncle-joe.netホームページ用に作成。
<使い方>
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